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	<title>さかさまりすのしっぽ</title>
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		<title>俺を殺す鎖(下)</title>
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		<pubDate>Thu, 10 May 2012 17:34:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[未分類]]></category>

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		<description><![CDATA[　俺と下条は例の八百屋を訪ねた。 　今度は、店主に真実を話したのだ。通り魔事件を追っていること、息子を犯人と睨んでいたこと、などなど。俺が犯人捜索の協力を依頼すると、店主は渋い顔で頷いてくれた。 　差し当たって、やるべきは息子の荷物を漁る事だった。確かに息子は犯人ではなかったのかもしれない。だが、事件に何らかの関わりがあるのは明らかだろう。 　息子の部屋には大きなパソコンが一台設置されていた。パスワードは下条の力で解読。まずは彼のフォルダを一つずつ検証していった。が、めぼしい物は見つからず。 　が、IEの履歴を漁ったところで、俺は気になる物を見つけた。 「死にたがりSNS……？」 　確かに、そう書かれていた。 　これは当たりだ。そう思った。すぐさま俺は息子のアカウントでSNSへログインした。幸いにもクッキーにアカウント情報が残っていたのでログインは容易だった。 　SNSはメッセージログと掲示板、それに簡単なプロフィールとで構成されたものだった。かなり簡素なSNSである。だが、答えはそこにあった。 　掲示板。そこのタイトル。 『死にたがりさんを殺して死んじゃおう！』 　本文は、以下のもの。 『自殺したいのに、勇気が持てない。誰もが思っている事だと思います。そ・こ・で、そんな自分は殺してもらう事にしましょう』 『でもでも、殺人の依頼はお金がかかるし、誰に頼めば良いのやら……簡単です。死にたがりさんに殺してもらえば良いのです』 『ここに死にたがりのAさん、Bさん、Cさんがいたとしましょう。まず、BさんがAさんを殺します。次に殺人の経験をしたBさんをCさんが殺します』 『そして、今度は死にたがりのDさんがCさんを殺し、またまた死にたがりのEさんがDさんを殺すのです！　ばーん！　完璧です！』 『最初のAさんだけが殺人を犯さないので得かもですが……言い出しっぺの私がAさんになります。思いついた特権って事で……良いですよね？』 『あ、殺し殺されの関係上、場所は私の住んでる〇〇町限定で。詳細なやり取りはミニメで。くれぐれもプライバシーは守るように！』 『注意点として。殺し殺されの関係は掲示板に残すようにしましょう。でないと、どこかで連鎖が途切れちゃうかもしれないので～』 『はい。というわけでーす。賛同してくれる人は私にミニメ下さい。待ってまーす』 　俺は。 　俺は読み終えた文字列を、再度追う。 　何度読んでも、そこに書かれていたものは変わらなかった。 　掲示板を立てたユーザーの名前は『さち』。 　姉の下の名だった。 　自殺だったのだ。姉は。俺と二人暮らしをしていた、姉は。死にたかったのだ。死にたくてたまらなくて、こんな掲示板を立ててしまったのだ。 「どうする？」 　下条が言葉を放つ。 　決まってるさ。 「下条。良かったな。報酬が数百倍に跳ね上がるぞ」 　下条は不思議そうな顔を浮かべたが、すぐに気付いたようだ。 　だが、止めさせはしない。 　俺はその場で携帯電話を取り出すと『死にたがりSNS』へユーザー登録した。 広告 アレンジ花ギフト・フラワーギフトのケイフローリスト通販 国内外の有名ブランドを手掛けるフラワーデザイナーが、花ギフトやフラワーギフト全般のご要望に応じます。アレンジお任せOK、当日配達可。送料無料で直営/提携店から直接配達・宅配致します。法人決済可能です。 LanScope Cat6 LanScope Cat6（ランスコープキャット シックス）は、IT資産管理からPC操作ログ管理・情報漏洩対策と、ネットワークマネジメントに必要な機能をワンパッケージで実装しています。 クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　俺と下条は例の八百屋を訪ねた。<br />
　今度は、店主に真実を話したのだ。通り魔事件を追っていること、息子を犯人と睨んでいたこと、などなど。俺が犯人捜索の協力を依頼すると、店主は渋い顔で頷いてくれた。<br />
　差し当たって、やるべきは息子の荷物を漁る事だった。確かに息子は犯人ではなかったのかもしれない。だが、事件に何らかの関わりがあるのは明らかだろう。<br />
　息子の部屋には大きなパソコンが一台設置されていた。パスワードは下条の力で解読。まずは彼のフォルダを一つずつ検証していった。が、めぼしい物は見つからず。<br />
　が、IEの履歴を漁ったところで、俺は気になる物を見つけた。<br />
「死にたがりSNS……？」<br />
　確かに、そう書かれていた。<br />
　これは当たりだ。そう思った。すぐさま俺は息子のアカウントでSNSへログインした。幸いにもクッキーにアカウント情報が残っていたのでログインは容易だった。<br />
　SNSはメッセージログと掲示板、それに簡単なプロフィールとで構成されたものだった。かなり簡素なSNSである。だが、答えはそこにあった。<br />
　掲示板。そこのタイトル。<br />
『死にたがりさんを殺して死んじゃおう！』<br />
　本文は、以下のもの。<br />
『自殺したいのに、勇気が持てない。誰もが思っている事だと思います。そ・こ・で、そんな自分は殺してもらう事にしましょう』<br />
『でもでも、殺人の依頼はお金がかかるし、誰に頼めば良いのやら……簡単です。死にたがりさんに殺してもらえば良いのです』<br />
『ここに死にたがりのAさん、Bさん、Cさんがいたとしましょう。まず、BさんがAさんを殺します。次に殺人の経験をしたBさんをCさんが殺します』<br />
『そして、今度は死にたがりのDさんがCさんを殺し、またまた死にたがりのEさんがDさんを殺すのです！　ばーん！　完璧です！』<br />
『最初のAさんだけが殺人を犯さないので得かもですが……言い出しっぺの私がAさんになります。思いついた特権って事で……良いですよね？』<br />
『あ、殺し殺されの関係上、場所は私の住んでる〇〇町限定で。詳細なやり取りはミニメで。くれぐれもプライバシーは守るように！』<br />
『注意点として。殺し殺されの関係は掲示板に残すようにしましょう。でないと、どこかで連鎖が途切れちゃうかもしれないので～』<br />
『はい。というわけでーす。賛同してくれる人は私にミニメ下さい。待ってまーす』<br />
　俺は。<br />
　俺は読み終えた文字列を、再度追う。<br />
　何度読んでも、そこに書かれていたものは変わらなかった。<br />
　掲示板を立てたユーザーの名前は『さち』。<br />
　姉の下の名だった。<br />
　自殺だったのだ。姉は。俺と二人暮らしをしていた、姉は。死にたかったのだ。死にたくてたまらなくて、こんな掲示板を立ててしまったのだ。<br />
「どうする？」<br />
　下条が言葉を放つ。<br />
　決まってるさ。<br />
「下条。良かったな。報酬が数百倍に跳ね上がるぞ」<br />
　下条は不思議そうな顔を浮かべたが、すぐに気付いたようだ。<br />
　だが、止めさせはしない。<br />
　俺はその場で携帯電話を取り出すと『死にたがりSNS』へユーザー登録した。
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		</item>
		<item>
		<title>俺を殺す鎖(中)</title>
		<link>http://robotl.com/2012/04/28/%e4%bf%ba%e3%82%92%e6%ae%ba%e3%81%99%e9%8e%96%e4%b8%ad/</link>
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		<pubDate>Fri, 27 Apr 2012 12:34:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[未分類]]></category>

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		<description><![CDATA[　下条は商店街の八百屋の前で待っていた。 「おい下条。犯人はどこだ」 「この中にいるぜ」 　下条が指した先は、八百屋。 「何の冗談だ」 「馬鹿。八百屋の息子が犯人だっつってんだよ。さっさと行くぜ」 　八百屋？　この八百屋の息子が？　俺の姉とは何の関係もないじゃないか。何で俺の姉を……と、そうか、通り魔。通り魔というのは、被害者を選ばないものだったな。被害者の共通項もさほどなかったのだ。無差別殺人なのは当たり前だ。 　だが、だからこそ許せない。そんな奴は死んで当然と言えるだろう。 　八百屋は開店前。やるなら人目の少ない今の時間帯が良い。 　八百屋のシャッターをがんがんと叩く。 「すいませーん」 「……はいはーい」 　呼びかけに応じたのは八百屋の店主だった。つまり犯人の父親。 「何の用？」 　俺は事情の一切を伏せ、とにかく息子さんを連れてきて欲しいと伝えた。店主は訝しげにこちらを伺っていたが、やがて了承。犯人を俺の目の前へ運んできた。 　さあ憎しみの相手がやって来た。が、まだだ。さすがに父親の前で殺すわけにもいかない。それに、こいつが犯人だと決まったわけじゃない。下条は信用しているが、間違いがないとも限らない。 　俺がそれとなく息子に用件を伝えると、息子は顔を強ばらせて、店主を家の中へ押しやった。この反応は、どうやら当たりらしかった。 「覚悟はできるんだろうな」 「……何の事でしょう」 　息子は、白を切った。ここまできて、こうまで言い逃れをされると、苛々が募る他ない。 「おいおいこの野郎。ふざけんなよ。俺はこの目で見てんだよ。あんたが大学生を殺すのをな」 　下条が怒気をはらんだ声を出す。こいつが犯人なのは確実。それなのに、この息子の余裕の笑みはなんだというのだろう。 「やだなあ。例の通り魔事件の事ですか？　それなら僕、アリバイがありますよ。最初に殺された女子大生ね。ニュースでは先週の月曜って言ってましたっけ。あの日は僕、友人たちと一緒に宴会をしていましたから。僕の友人に直接確かめても良いですよ。口裏を合わせてるわけでもないとは、わかってもらえるはず。僕、友人には嫌われていますから。僕を庇う人間がいるはずありません」 　そう言ってのけた。 「お言葉に甘えて」 　下条が息子から携帯電話を奪い、すぐさま目的の相手へ電話をかける。 　通話を終えた下条の顔色は暗いものだった。 「ほらね。僕を殺したところを見たって、それはただの見間違いでしょう。何の証拠があるわけでもない。止めて下さいよ、余計な勘ぐりは」 　俺たちの完敗だった。 　俺の目的は犯人を捕まえる事でなく、殺す事だ。証拠を一つ一つ並べる必要はない。俺自身、犯人と確信できない相手を、殺せるはずがなかった。 　下条も俺と同じく、悔しそうに下唇を噛んでいる。 　息子はそのまま、にやにやと店内へ戻っていった。 　俺と下条は、今後の方針の打ち合わせをするため、近くの牛丼屋へと向かった。 　その日の夜の事だった。俺は下条からのコールを受けて驚いた。 「八百屋の息子が殺された。あいつはやっぱり犯人じゃなかったみたいだぜ」 　わけがわからなかった。 広告 建築専門スクール【スペースデザイン設計科】 スペースデザインカレッジは、実務のプロを養成する学校です。 チームビルディングのヒューマンロジック 組織の活性化を支援する、ヒューマンロジック研究所。生産性を高め、事業を成功へと導くために組織の潜在力を引き出します。 クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　下条は商店街の八百屋の前で待っていた。<br />
「おい下条。犯人はどこだ」<br />
「この中にいるぜ」<br />
　下条が指した先は、八百屋。<br />
「何の冗談だ」<br />
「馬鹿。八百屋の息子が犯人だっつってんだよ。さっさと行くぜ」<br />
　八百屋？　この八百屋の息子が？　俺の姉とは何の関係もないじゃないか。何で俺の姉を……と、そうか、通り魔。通り魔というのは、被害者を選ばないものだったな。被害者の共通項もさほどなかったのだ。無差別殺人なのは当たり前だ。<br />
　だが、だからこそ許せない。そんな奴は死んで当然と言えるだろう。<br />
　八百屋は開店前。やるなら人目の少ない今の時間帯が良い。<br />
　八百屋のシャッターをがんがんと叩く。<br />
「すいませーん」<br />
「……はいはーい」<br />
　呼びかけに応じたのは八百屋の店主だった。つまり犯人の父親。<br />
「何の用？」<br />
　俺は事情の一切を伏せ、とにかく息子さんを連れてきて欲しいと伝えた。店主は訝しげにこちらを伺っていたが、やがて了承。犯人を俺の目の前へ運んできた。<br />
　さあ憎しみの相手がやって来た。が、まだだ。さすがに父親の前で殺すわけにもいかない。それに、こいつが犯人だと決まったわけじゃない。下条は信用しているが、間違いがないとも限らない。<br />
　俺がそれとなく息子に用件を伝えると、息子は顔を強ばらせて、店主を家の中へ押しやった。この反応は、どうやら当たりらしかった。<br />
「覚悟はできるんだろうな」<br />
「……何の事でしょう」<br />
　息子は、白を切った。ここまできて、こうまで言い逃れをされると、苛々が募る他ない。<br />
「おいおいこの野郎。ふざけんなよ。俺はこの目で見てんだよ。あんたが大学生を殺すのをな」<br />
　下条が怒気をはらんだ声を出す。こいつが犯人なのは確実。それなのに、この息子の余裕の笑みはなんだというのだろう。<br />
「やだなあ。例の通り魔事件の事ですか？　それなら僕、アリバイがありますよ。最初に殺された女子大生ね。ニュースでは先週の月曜って言ってましたっけ。あの日は僕、友人たちと一緒に宴会をしていましたから。僕の友人に直接確かめても良いですよ。口裏を合わせてるわけでもないとは、わかってもらえるはず。僕、友人には嫌われていますから。僕を庇う人間がいるはずありません」<br />
　そう言ってのけた。<br />
「お言葉に甘えて」<br />
　下条が息子から携帯電話を奪い、すぐさま目的の相手へ電話をかける。<br />
　通話を終えた下条の顔色は暗いものだった。<br />
「ほらね。僕を殺したところを見たって、それはただの見間違いでしょう。何の証拠があるわけでもない。止めて下さいよ、余計な勘ぐりは」<br />
　俺たちの完敗だった。<br />
　俺の目的は犯人を捕まえる事でなく、殺す事だ。証拠を一つ一つ並べる必要はない。俺自身、犯人と確信できない相手を、殺せるはずがなかった。<br />
　下条も俺と同じく、悔しそうに下唇を噛んでいる。<br />
　息子はそのまま、にやにやと店内へ戻っていった。<br />
　俺と下条は、今後の方針の打ち合わせをするため、近くの牛丼屋へと向かった。<br />
　その日の夜の事だった。俺は下条からのコールを受けて驚いた。<br />
「八百屋の息子が殺された。あいつはやっぱり犯人じゃなかったみたいだぜ」<br />
　わけがわからなかった。
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		</item>
		<item>
		<title>俺を殺す鎖(上)</title>
		<link>http://robotl.com/2012/04/17/%e4%bf%ba%e3%82%92%e6%ae%ba%e3%81%99%e9%8e%96%e4%b8%8a/</link>
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		<pubDate>Tue, 17 Apr 2012 01:50:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[未分類]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://robotl.com/?p=60</guid>
		<description><![CDATA[　一週間前の事である。 　俺の家族、唯一の肉親であった姉が死んだ。 　幼くして両親を亡くし、ずっと二人暮らしをしてきたのだ。姉の死は俺に凄まじいダメージを与えた。あの日は放心状態で何もかもが手に付かず、翌日は一日中泣きわめいた。それぐらいの衝撃だった。自殺さえ考えた。アパートの屋上へ出て、遥か先の地上を見下ろしたところで、ふと考え直した。 　姉はただ死んだわけではない。殺されたのだ。 　殺されたという事は、犯人がいるという事だ。姉が死んで、俺が死んで、犯人がのうのうと生きている？　そんなのが、許されてたまるか。 　犯人をこの手で殺す。そうでもしないと、俺の気はおさまらない。 　俺自身はしがない学生に過ぎないが、幸いにも知り合いに探偵がいた。 　名を下条という。下条によると、探偵というのは殺人事件の捜査をするような職業ではないとの事だった。漫画やアニメとは違うらしい。 だが、俺は下条を説得した。そんな職業でないにしても、調査ってものには、単なる学生である俺よりも長く親しんできたはずである。だったら、やって出来ない事はない。 金ならある。両親の残した莫大な財産のおかげで俺たち姉弟は生きてこれた。姉の死んだ今となっては、もう、俺以外にその金を使う人間はいない。姉も自らを殺した犯人を捜す目的なら喜んで金を払うだろう。そう思った。 下条に百万を超える金を突きつけると、奴は俺の依頼を快諾してくれた。 　さて、では本題に入ろう。 　姉の死因は刺殺。大学から帰宅途中、夜道を歩いていたところを包丁でめった刺しにされるというものだった。 ひどい話である。姉に何の恨みがあってやったのかは知らないが、そのような殺しをする輩は深い憎しみを抱いている場合がほとんどとの事だった。姉は他人に恨まれるような性格ではない。それは嘘に違いなかった。 　何故ならば。下条の調査によって、驚くべき事実が判明したからである。 　殺されたのは、姉だけではなかった。我が町では、今月に入ってから、四人もの人間が刺殺されていたのだ。 　未だ報道されていない事件ではあるが、これは異常と言えるだろう。手口は全て同じ。夜道でのめった刺し。間違いなく同一犯によるものだ。連続通り魔事件。そう呼んで相応しい。 　被害者はどれも若い女。偶然かどうかはわからないが、これも共通点ではある。 　被害に遭った場所は誰もかれもまちまち。西区から東区まで、町内のあらゆる場所で殺されていた。 　そこで、俺と下条は目算を立てた。 　きっと通り魔は犯行を続ける。ならば、事件の起こりそうな場所で張っていれば犯人を見つけられるのではないか、と。 　今日はその実行初日。犯行場所の予測はたてたものの、それは一カ所ではない。全てを見張るのは事実上不可能だ。せめて、との事で、俺と下条は別行動を取る事になった。 　 　――――で、その結果。 　一晩その場で待機していたが、犯人は結局現れなかった。 　朝、テレビのニュースを付けて俺はやはり殺人事件が起きていた事を知った。ようやく報道が動いたのだ。被害者は大学性。男だ。女ではない。これで、事件の共通点が一つ失われた。 　と、携帯電話が鳴り響く。 　画面を見ると、相手は下条だった。 　通話ボタンを押し、携帯を耳元へ持って行くと、下条の言葉が聞こえてきた。 「犯人がわかったぜ。これから乗り込むが、一緒に来るか？」 　もちろんだ。 　俺は事前に手に入れていたサバイバルナイフをバッグに放り込むと、鼻歌交じりに家を出た。 広告 定額制研修サービス エンカレッジ エンカレッジは全140種類に及ぶ充実の社員教育研修メニューで、『低コスト』『短時間』『継続性』が特徴。安心の定額制です。 アガット（agete） ｜Hellomag アガット（agete）に関するコラム・ブランド紹介・新着情報・関連リンクなど。Hellomag（ハロマグ）は株式会社サザビーリーグが運営するWEBマガジンです。 クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　一週間前の事である。<br />
　俺の家族、唯一の肉親であった姉が死んだ。<br />
　幼くして両親を亡くし、ずっと二人暮らしをしてきたのだ。姉の死は俺に凄まじいダメージを与えた。あの日は放心状態で何もかもが手に付かず、翌日は一日中泣きわめいた。それぐらいの衝撃だった。自殺さえ考えた。アパートの屋上へ出て、遥か先の地上を見下ろしたところで、ふと考え直した。<br />
　姉はただ死んだわけではない。殺されたのだ。<br />
　殺されたという事は、犯人がいるという事だ。姉が死んで、俺が死んで、犯人がのうのうと生きている？　そんなのが、許されてたまるか。<br />
　犯人をこの手で殺す。そうでもしないと、俺の気はおさまらない。<br />
　俺自身はしがない学生に過ぎないが、幸いにも知り合いに探偵がいた。<br />
　名を下条という。下条によると、探偵というのは殺人事件の捜査をするような職業ではないとの事だった。漫画やアニメとは違うらしい。<br />
だが、俺は下条を説得した。そんな職業でないにしても、調査ってものには、単なる学生である俺よりも長く親しんできたはずである。だったら、やって出来ない事はない。<br />
金ならある。両親の残した莫大な財産のおかげで俺たち姉弟は生きてこれた。姉の死んだ今となっては、もう、俺以外にその金を使う人間はいない。姉も自らを殺した犯人を捜す目的なら喜んで金を払うだろう。そう思った。<br />
下条に百万を超える金を突きつけると、奴は俺の依頼を快諾してくれた。<br />
　さて、では本題に入ろう。<br />
　姉の死因は刺殺。大学から帰宅途中、夜道を歩いていたところを包丁でめった刺しにされるというものだった。<br />
ひどい話である。姉に何の恨みがあってやったのかは知らないが、そのような殺しをする輩は深い憎しみを抱いている場合がほとんどとの事だった。姉は他人に恨まれるような性格ではない。それは嘘に違いなかった。<br />
　何故ならば。下条の調査によって、驚くべき事実が判明したからである。<br />
　殺されたのは、姉だけではなかった。我が町では、今月に入ってから、四人もの人間が刺殺されていたのだ。<br />
　未だ報道されていない事件ではあるが、これは異常と言えるだろう。手口は全て同じ。夜道でのめった刺し。間違いなく同一犯によるものだ。連続通り魔事件。そう呼んで相応しい。<br />
　被害者はどれも若い女。偶然かどうかはわからないが、これも共通点ではある。<br />
　被害に遭った場所は誰もかれもまちまち。西区から東区まで、町内のあらゆる場所で殺されていた。<br />
　そこで、俺と下条は目算を立てた。<br />
　きっと通り魔は犯行を続ける。ならば、事件の起こりそうな場所で張っていれば犯人を見つけられるのではないか、と。<br />
　今日はその実行初日。犯行場所の予測はたてたものの、それは一カ所ではない。全てを見張るのは事実上不可能だ。せめて、との事で、俺と下条は別行動を取る事になった。<br />
　<br />
　――――で、その結果。<br />
　一晩その場で待機していたが、犯人は結局現れなかった。<br />
　朝、テレビのニュースを付けて俺はやはり殺人事件が起きていた事を知った。ようやく報道が動いたのだ。被害者は大学性。男だ。女ではない。これで、事件の共通点が一つ失われた。<br />
　と、携帯電話が鳴り響く。<br />
　画面を見ると、相手は下条だった。<br />
　通話ボタンを押し、携帯を耳元へ持って行くと、下条の言葉が聞こえてきた。<br />
「犯人がわかったぜ。これから乗り込むが、一緒に来るか？」<br />
　もちろんだ。<br />
　俺は事前に手に入れていたサバイバルナイフをバッグに放り込むと、鼻歌交じりに家を出た。
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		</item>
		<item>
		<title>不可能犯罪</title>
		<link>http://robotl.com/2012/04/04/%e4%b8%8d%e5%8f%af%e8%83%bd%e7%8a%af%e7%bd%aa/</link>
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		<pubDate>Tue, 03 Apr 2012 11:11:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[未分類]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://robotl.com/?p=54</guid>
		<description><![CDATA[「それで、一体誰が犯人なんだ！？」 　ホールに怒声が響いた。 　一人の中年男性のその声は場にいる皆の胸中に重くのし掛かった。 　数時間前、ホール裏の倉庫で一人の男が殺されたのだ。 　このホールはなんと孤島に建てられている。 　警察がここへ到着するには……まだまだ時間がかかる。 「もう一度確認しよう。おい田島。阿久津の死体を見つけたのは何時頃だった？」 　中年男性に話を振られた田島が答える。 「午後七時です。僕らが倉庫へ演劇の道具を取りに行ったら死体があったんです」 「ああ田島の言う通りだ、確かにあれは七時だった。倉庫の前で吉本達がくっちゃべってたのも覚えてる」 　田島の友人、萩本も補足した。 「じゃあ、吉本。お前らはいつから倉庫の前にいた？」 「五時すぎっすね。五時まで稽古してて、それからすぐに倉庫の前に行ったんで」 　吉本はガムを噛みながら中年男性へ返答する。 「……じゃ、遠藤。お前らが生きた阿久津の姿を見たのは？」 「六時ぴったりです。鳩時計が鳴いてたの、私覚えてますから」 「くっそ……何度考えてもわけがわからん」 　――――そう、全員の話が正しいのだとすれば、阿久津なる人物は殺されて倉庫の中へ放られる事はないのだ。 　五時から倉庫の前には監視者がいた。六時に阿久津が倉庫外で顔を見られている。七時に死体が発見される。 　誰も、阿久津を殺す事はできない。 「…………団長、やはり我々に捜査の真似事なんて、無理なんです。警察を待ちましょう」 「……くそ」 　しばらくして、警察が到着した。 　そして、島の捜索が行われると、すぐに犯人が逮捕された。 「犯人は……犯人は誰だったんですか？」 　演劇団長が警官に問う。 　警官は答えた。 「阿久津の双子の弟です」 広告 ふくかね不動産 ふくかね不動産は、福岡市の人気物件がたくさんあります。 京都、大阪の相続税なら【左近照麗税理士事務所】 京都、大阪、滋賀、兵庫、奈良の相続税の申告相談なら株式会社エスエムオー・左近照麗税理士事務所へ。 クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>「それで、一体誰が犯人なんだ！？」<br />
　ホールに怒声が響いた。<br />
　一人の中年男性のその声は場にいる皆の胸中に重くのし掛かった。<br />
　数時間前、ホール裏の倉庫で一人の男が殺されたのだ。<br />
　このホールはなんと孤島に建てられている。<br />
　警察がここへ到着するには……まだまだ時間がかかる。<br />
「もう一度確認しよう。おい田島。阿久津の死体を見つけたのは何時頃だった？」<br />
　中年男性に話を振られた田島が答える。<br />
「午後七時です。僕らが倉庫へ演劇の道具を取りに行ったら死体があったんです」<br />
「ああ田島の言う通りだ、確かにあれは七時だった。倉庫の前で吉本達がくっちゃべってたのも覚えてる」<br />
　田島の友人、萩本も補足した。<br />
「じゃあ、吉本。お前らはいつから倉庫の前にいた？」<br />
「五時すぎっすね。五時まで稽古してて、それからすぐに倉庫の前に行ったんで」<br />
　吉本はガムを噛みながら中年男性へ返答する。<br />
「……じゃ、遠藤。お前らが生きた阿久津の姿を見たのは？」<br />
「六時ぴったりです。鳩時計が鳴いてたの、私覚えてますから」<br />
「くっそ……何度考えてもわけがわからん」<br />
　――――そう、全員の話が正しいのだとすれば、阿久津なる人物は殺されて倉庫の中へ放られる事はないのだ。<br />
　五時から倉庫の前には監視者がいた。六時に阿久津が倉庫外で顔を見られている。七時に死体が発見される。<br />
　誰も、阿久津を殺す事はできない。<br />
「…………団長、やはり我々に捜査の真似事なんて、無理なんです。警察を待ちましょう」<br />
「……くそ」<br />
　しばらくして、警察が到着した。<br />
　そして、島の捜索が行われると、すぐに犯人が逮捕された。<br />
「犯人は……犯人は誰だったんですか？」<br />
　演劇団長が警官に問う。<br />
　警官は答えた。<br />
「阿久津の双子の弟です」
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		</item>
		<item>
		<title>血だまりの男</title>
		<link>http://robotl.com/2012/03/11/%e8%a1%80%e3%81%a0%e3%81%be%e3%82%8a%e3%81%ae%e7%94%b7/</link>
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		<pubDate>Sat, 10 Mar 2012 15:08:49 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[未分類]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://robotl.com/?p=52</guid>
		<description><![CDATA[　場所は東京都豊島区にある某フレンチレストランの厨房。 　血だまりの中に一人の男が倒れていた。 　あまり若くない。その顔には皺が深く刻まれ、お世辞にも多いとは言えない頭髪には白い物が混じっている。 　清潔な白い服装と同じく血だまりの中に沈んだコック帽から、この男がレストランのコックである事がわかる。 　周囲には幾人もの人々が立っていた。 　ウェイター、パティシエ、料理長、ソムリエ……誰もがこの店の従業員である。 　その全てが沈痛な面持ちで、血だまりの中の男を見下ろしていた。 「どうして……こんなことに……」 「ついさっきまで……西田さん……元気に調理してたってのに」 　果たして、この西田というのが血だまりの男の名だ。 「自殺……なわけありませんよね」 　一人のパティシエが呟く。 「こんな場所で、こんな風に死んでしまうはずがないもの」 「あぁ、確かに」 「きっと、西田は殺されたんだ」 　殺された。 　その言葉は厨房にいる全ての人間の脳を駆け巡った。 　場に沈黙が訪れる。 「やぁやぁ諸君」 　それを破るかのように、扉を開けて一人の男が現れた。 　日本人でありながらも、痩身にインバネスコートを羽織ったその姿はまるでシャーロック・ホームズのようだ。 「なるほどなるほど、これを見て諸君は私を呼んだわけかね」 「あぁ、そうだ。頼むから早く犯人を見つけてきてくれ」 「犯人ね……それならそこにいるじゃありませんか」 　日系ホームズが指をさす。その先には血だまりの男。 「……ふざけているのか？」 「いえいえ。そのような事は。だって、ほら、これ程の量の血液が流れていてその匂いがしないなんておかしいじゃありませんか。ここは厨房。血液を偽装するものなどいくらでもあるのでは？」 　そう言って両手を掲げて見せる。 　途端に血だまりの男が起き上った。 広告 Link Knowledge(リンクナレッジ) 組織で名刺を管理し、人脈を活かす営業を実現する方法をご説明します。 アレンジ花ギフト・フラワーギフトのケイフローリスト通販 国内外の有名ブランドを手掛けるフラワーデザイナーが、花ギフトやフラワーギフト全般のご要望に応じます。アレンジお任せOK、当日配達可。送料無料で直営/提携店から直接配達・宅配致します。法人決済可能です。 クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　場所は東京都豊島区にある某フレンチレストランの厨房。<br />
　血だまりの中に一人の男が倒れていた。<br />
　あまり若くない。その顔には皺が深く刻まれ、お世辞にも多いとは言えない頭髪には白い物が混じっている。<br />
　清潔な白い服装と同じく血だまりの中に沈んだコック帽から、この男がレストランのコックである事がわかる。<br />
　周囲には幾人もの人々が立っていた。<br />
　ウェイター、パティシエ、料理長、ソムリエ……誰もがこの店の従業員である。<br />
　その全てが沈痛な面持ちで、血だまりの中の男を見下ろしていた。<br />
「どうして……こんなことに……」<br />
「ついさっきまで……西田さん……元気に調理してたってのに」<br />
　果たして、この西田というのが血だまりの男の名だ。<br />
「自殺……なわけありませんよね」<br />
　一人のパティシエが呟く。<br />
「こんな場所で、こんな風に死んでしまうはずがないもの」<br />
「あぁ、確かに」<br />
「きっと、西田は殺されたんだ」<br />
　殺された。<br />
　その言葉は厨房にいる全ての人間の脳を駆け巡った。<br />
　場に沈黙が訪れる。<br />
「やぁやぁ諸君」<br />
　それを破るかのように、扉を開けて一人の男が現れた。<br />
　日本人でありながらも、痩身にインバネスコートを羽織ったその姿はまるでシャーロック・ホームズのようだ。<br />
「なるほどなるほど、これを見て諸君は私を呼んだわけかね」<br />
「あぁ、そうだ。頼むから早く犯人を見つけてきてくれ」<br />
「犯人ね……それならそこにいるじゃありませんか」<br />
　日系ホームズが指をさす。その先には血だまりの男。<br />
「……ふざけているのか？」<br />
「いえいえ。そのような事は。だって、ほら、これ程の量の血液が流れていてその匂いがしないなんておかしいじゃありませんか。ここは厨房。血液を偽装するものなどいくらでもあるのでは？」<br />
　そう言って両手を掲げて見せる。<br />
　途端に血だまりの男が起き上った。
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		</item>
		<item>
		<title>さかさまりすのしっぽ 09</title>
		<link>http://robotl.com/2012/03/09/%e3%81%95%e3%81%8b%e3%81%95%e3%81%be%e3%82%8a%e3%81%99%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%a3%e3%81%bd-09/</link>
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		<pubDate>Fri, 09 Mar 2012 05:21:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[未分類]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://robotl.com/?p=36</guid>
		<description><![CDATA[これから見失うわけには行かない。しかし、つかまるのも時間の問題だ。 　また主要駅に近付き、近藤氏はのん気にまた、犯行を続けた。真昼間っからすごい度胸だな、と思ったほどだ。 　そしてその主要駅に着き、今度は近藤氏も降りるようで、開いたドアを真っ直ぐに出て行った。千歳は慌ててその電車から駆け下りる。ここへ来て見失うわけにはいかない。 　電車から降り、一歩進みもしない内に千歳は気が付いた。 　ホームに警官が数名待機しており、どうやら千歳らが乗っていた車両から降りた乗客で、千歳の提示した特徴に該当する人物を重点的に職質していたらしいのだ。 　千歳は思わずニヤけた。 　そして待機していた他二名ほどの警官は車両に立ち入り、中にいる乗客も調べているようだ。 　しばらく人の流れに任せ、様子を伺いながら少しずつ進んでいると、近くにいた警官の無線から雑音が流れた。その雑音に混じり、誰かが何かを言っている。雑音の中から拾えた言葉は、『犯人身柄確保』がせいぜいであったが、千歳には十分すぎるくらいの情報で、先ほどニヤけた口元がしばらく元に戻らないことを覚悟した。 　もう少し様子を伺いたくて歩いていると、警官に話しかけられる。 「君、森永千歳ちゃん？お兄さんから連絡を貰ってね。大手柄だったね。」 何故自分の名前を、と思ったが、自分には後ろめたいことなどないと思い直し、元気良く「うん！」と返事をした。すると警官が事情を聞きたいからと誘導するので、 「喜んで！」 と、後に付いて歩いた。 広告 リサイクルハンター7 ブランド品・家具・家電の高価買取ならリサイクルハンター７へ！ クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>これから見失うわけには行かない。しかし、つかまるのも時間の問題だ。<br />
　また主要駅に近付き、近藤氏はのん気にまた、犯行を続けた。真昼間っからすごい度胸だな、と思ったほどだ。<br />
　そしてその主要駅に着き、今度は近藤氏も降りるようで、開いたドアを真っ直ぐに出て行った。千歳は慌ててその電車から駆け下りる。ここへ来て見失うわけにはいかない。<br />
　電車から降り、一歩進みもしない内に千歳は気が付いた。<br />
　ホームに警官が数名待機しており、どうやら千歳らが乗っていた車両から降りた乗客で、千歳の提示した特徴に該当する人物を重点的に職質していたらしいのだ。<br />
　千歳は思わずニヤけた。<br />
　そして待機していた他二名ほどの警官は車両に立ち入り、中にいる乗客も調べているようだ。<br />
　しばらく人の流れに任せ、様子を伺いながら少しずつ進んでいると、近くにいた警官の無線から雑音が流れた。その雑音に混じり、誰かが何かを言っている。雑音の中から拾えた言葉は、『犯人身柄確保』がせいぜいであったが、千歳には十分すぎるくらいの情報で、先ほどニヤけた口元がしばらく元に戻らないことを覚悟した。<br />
　もう少し様子を伺いたくて歩いていると、警官に話しかけられる。<br />
「君、森永千歳ちゃん？お兄さんから連絡を貰ってね。大手柄だったね。」<br />
何故自分の名前を、と思ったが、自分には後ろめたいことなどないと思い直し、元気良く「うん！」と返事をした。すると警官が事情を聞きたいからと誘導するので、<br />
「喜んで！」<br />
と、後に付いて歩いた。
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		<title>さかさまりすのしっぽ 07</title>
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		<pubDate>Fri, 02 Mar 2012 06:04:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[未分類]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://robotl.com/?p=26</guid>
		<description><![CDATA[　さて、どう捕まえよう。千歳は考えた。そして思いついた唯一の手段は、携帯電話である。それを取り出し、既に成人している兄にメールを打った。簡単な事情、つまり、車内でスリを見かけたから交番に連絡して欲しいという趣旨と、本人が今、何線に乗っており、何時何分に何駅を発ち、何行きの電車の何両目に乗っているのかまで、事細かにそのメールに記す。もちろん近藤氏の特徴も書いてやった。これできっと捕まえられるはず。 　千歳は希望を込めてメールを送信した。 　しかし、全く持って反応がない。 　兄は普段、メール好きなのですぐに反応を返してくれるはずである。にも関わらず、五分経っても連絡が来ない。……気付いていないのだ。きっと、気付いていないのだ。 　また焦ってしまう。どこで降りるかもわからない犯人を追っている。早く警察に伝えなければ。 　今度は、兄の電話番号を表示した。通話ボタンを押す。呼び出し音をしばらく聞いた。――ようやく受話器が拾われた。 　拾われたことを確認すると通話終了ボタンを押す。……これでメールにも気付くはずである。千歳はまた反応を待った。そして、期待していた携帯電話のバイブレーションが無音の主張を始める。 「……うし。」 急いで中を確認すると、今一番返事の欲しかった兄からであり、『メール今気付いた、任せとけ』とだけ書かれていた。 　千歳は先ほどと同じように「うし」と呟き、携帯電話を手に持ったまま近藤氏に視線を戻した。 広告 リサイクルハンター7 ブランド品・家具・家電の高価買取ならリサイクルハンター７へ！ クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　さて、どう捕まえよう。千歳は考えた。そして思いついた唯一の手段は、携帯電話である。それを取り出し、既に成人している兄にメールを打った。簡単な事情、つまり、車内でスリを見かけたから交番に連絡して欲しいという趣旨と、本人が今、何線に乗っており、何時何分に何駅を発ち、何行きの電車の何両目に乗っているのかまで、事細かにそのメールに記す。もちろん近藤氏の特徴も書いてやった。これできっと捕まえられるはず。<br />
　千歳は希望を込めてメールを送信した。<br />
　しかし、全く持って反応がない。<br />
　兄は普段、メール好きなのですぐに反応を返してくれるはずである。にも関わらず、五分経っても連絡が来ない。……気付いていないのだ。きっと、気付いていないのだ。<br />
　また焦ってしまう。どこで降りるかもわからない犯人を追っている。早く警察に伝えなければ。<br />
　今度は、兄の電話番号を表示した。通話ボタンを押す。呼び出し音をしばらく聞いた。――ようやく受話器が拾われた。<br />
　拾われたことを確認すると通話終了ボタンを押す。……これでメールにも気付くはずである。千歳はまた反応を待った。そして、期待していた携帯電話のバイブレーションが無音の主張を始める。<br />
「……うし。」<br />
急いで中を確認すると、今一番返事の欲しかった兄からであり、『メール今気付いた、任せとけ』とだけ書かれていた。<br />
　千歳は先ほどと同じように「うし」と呟き、携帯電話を手に持ったまま近藤氏に視線を戻した。
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		<item>
		<title>さかさまりすのしっぽ 06</title>
		<link>http://robotl.com/2012/02/25/%e3%81%95%e3%81%8b%e3%81%95%e3%81%be%e3%82%8a%e3%81%99%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%a3%e3%81%bd-06/</link>
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		<pubDate>Fri, 24 Feb 2012 11:37:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[未分類]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://robotl.com/?p=28</guid>
		<description><![CDATA[　乗車して二十分ほど経ったころ、電車はようやく主要駅に近付いており、乗客も増えていた。千歳は背が高くないので、人を掻き分け近藤氏といい距離を保つことに苦労したが、近藤氏が何故か混んでいる一角に移動したお陰で、千歳の苦労は軽減された。 　しかし可笑しな行動だと千歳は首を傾げた。何故わざわざ混んでいる一角に自ら入り混むのか。次の駅が主要駅の一つなので、そこで一刻も早く降りるためにドア付近に居たいだけなのか、それとも……。 　近藤氏は主要駅が近付くに連れ、ゆっくりと手を動かし始めた。その腕は音も振動も立てぬようにゆっくりと、背中を向けて前に立っていた男性のリュックに伸びた。慣れた手つきで二つ折りの財布を急いで懐に収める。 　見張っていた千歳は、思わずガッツポーズをした。千歳の目の前で犯行を犯したのだ。この混み具合からして、恐らく他に気付いたものはいない。 　駅に到着するとの社内アナウンスが流れる。 　その財布を奪われた男性にどう伝えようか考えもしていなかったので、瞬間的に千歳は焦った。焦りながらも、また目撃してしまった。停車しドアが開き、人が出て行くどさくさに紛れ、近藤氏はまた別の男性のお尻ポケットから長財布を抜き取ったのだ。人の流れが間を阻み、懐にしまうシーンまでは確認できなかったが、男性は気付かずに電車を降りて行ってしまった。……無論、最初に財布を取られたリュックの男性も既に見当たらない。 　とても申し訳ない気持ちになったが、今更どうにもならない。 　――絶対捕まえてやる。 　千歳は強く決意した。 広告 リサイクルハンター7 ブランド品・家具・家電の高価買取ならリサイクルハンター７へ！ クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　乗車して二十分ほど経ったころ、電車はようやく主要駅に近付いており、乗客も増えていた。千歳は背が高くないので、人を掻き分け近藤氏といい距離を保つことに苦労したが、近藤氏が何故か混んでいる一角に移動したお陰で、千歳の苦労は軽減された。<br />
　しかし可笑しな行動だと千歳は首を傾げた。何故わざわざ混んでいる一角に自ら入り混むのか。次の駅が主要駅の一つなので、そこで一刻も早く降りるためにドア付近に居たいだけなのか、それとも……。<br />
　近藤氏は主要駅が近付くに連れ、ゆっくりと手を動かし始めた。その腕は音も振動も立てぬようにゆっくりと、背中を向けて前に立っていた男性のリュックに伸びた。慣れた手つきで二つ折りの財布を急いで懐に収める。<br />
　見張っていた千歳は、思わずガッツポーズをした。千歳の目の前で犯行を犯したのだ。この混み具合からして、恐らく他に気付いたものはいない。<br />
　駅に到着するとの社内アナウンスが流れる。<br />
　その財布を奪われた男性にどう伝えようか考えもしていなかったので、瞬間的に千歳は焦った。焦りながらも、また目撃してしまった。停車しドアが開き、人が出て行くどさくさに紛れ、近藤氏はまた別の男性のお尻ポケットから長財布を抜き取ったのだ。人の流れが間を阻み、懐にしまうシーンまでは確認できなかったが、男性は気付かずに電車を降りて行ってしまった。……無論、最初に財布を取られたリュックの男性も既に見当たらない。<br />
　とても申し訳ない気持ちになったが、今更どうにもならない。<br />
　――絶対捕まえてやる。<br />
　千歳は強く決意した。
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		</item>
		<item>
		<title>さかさまりすのしっぽ 05</title>
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		<pubDate>Thu, 16 Feb 2012 23:22:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[未分類]]></category>

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		<description><![CDATA[「これはただの事故ですね、事件ではなさそうです。」 「でもさっきこのおじさんは絶対に故意だ！殺人未遂だ！って言ってたよ。」 男性に一度は犯人扱いされた女子中学生が発言した。そのまま男性に向けて発言を続ける。 「おじさん、ねえ、殺されるような心当たりがあるの？」 「い、いや、そ、それは、ない、けど……」 警察が登場してからというもの、この男性は一気に勢いを失っていた。 　林田は変だと思っていたが、今回緊急ボタンが押されたことにより、山ほど仕事が増えてしまい、それどころではなかった。 　念のため、警察は主要関係者の名前や連絡先を控えた。『突き落とされた』のか『落ちた』のかわからない男性は、近藤充というらしい。三十代ということだ。女子中学生は森永千歳といい、案の定十四歳ということである。 　ともあれ、警察によるなんとも早い撤収により、ようやく駅に日常が取り戻された。そして、待っていた各駅停車の電車も到着したので、乗客は安堵したようにそれに乗り込む。 　しかし、森永千歳だけは腑に落ちないことがあり、浮かれてはいない。 　警察を前にしたときの近藤氏の豹変ぶりや、心当たりがあるのかと問われた際の慌てようが、喉の奥に引っかかったように脳裏から離れないのだ。本日特にマストの予定はない千歳は、近藤氏の後を付けることにした。なんでもないような足取りで近藤氏の後に電車に乗り込む。 　この駅から最終駅までは三時間ほどある。その男性が良く見えるように位置を確保する。それからしばらく、それとなく様子を伺った。 広告 リサイクルハンター7 ブランド品・家具・家電の高価買取ならリサイクルハンター７へ！ クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>「これはただの事故ですね、事件ではなさそうです。」<br />
「でもさっきこのおじさんは絶対に故意だ！殺人未遂だ！って言ってたよ。」<br />
男性に一度は犯人扱いされた女子中学生が発言した。そのまま男性に向けて発言を続ける。<br />
「おじさん、ねえ、殺されるような心当たりがあるの？」<br />
「い、いや、そ、それは、ない、けど……」<br />
警察が登場してからというもの、この男性は一気に勢いを失っていた。<br />
　林田は変だと思っていたが、今回緊急ボタンが押されたことにより、山ほど仕事が増えてしまい、それどころではなかった。<br />
　念のため、警察は主要関係者の名前や連絡先を控えた。『突き落とされた』のか『落ちた』のかわからない男性は、近藤充というらしい。三十代ということだ。女子中学生は森永千歳といい、案の定十四歳ということである。<br />
　ともあれ、警察によるなんとも早い撤収により、ようやく駅に日常が取り戻された。そして、待っていた各駅停車の電車も到着したので、乗客は安堵したようにそれに乗り込む。<br />
　しかし、森永千歳だけは腑に落ちないことがあり、浮かれてはいない。<br />
　警察を前にしたときの近藤氏の豹変ぶりや、心当たりがあるのかと問われた際の慌てようが、喉の奥に引っかかったように脳裏から離れないのだ。本日特にマストの予定はない千歳は、近藤氏の後を付けることにした。なんでもないような足取りで近藤氏の後に電車に乗り込む。<br />
　この駅から最終駅までは三時間ほどある。その男性が良く見えるように位置を確保する。それからしばらく、それとなく様子を伺った。
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		<title>さかさまりすのしっぽ 04</title>
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		<pubDate>Fri, 10 Feb 2012 00:44:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
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		<description><![CDATA[「……じょ、上等だ……ま、まあ、そこまで、」 「林田ー！大丈夫かー！？」 「あ、先輩！」 会話の途中で林田を呼んだのは、隣のワンマンではない駅に配属されている駅員であった。恐らく緊急ボタンによる信号が発せられたにも関わらず、林田と連絡が取れなくなったので、そのまま来てしまったのだろう。 　林田が簡単に事情を説明した。交番に連絡してきます、と言ったところで、再び男性が話しに割って入った。 「あ、いや、だから、別にそこまでしなくても……。」 「いえ、お客様、緊急を要したことでしたので、実は既に呼んであるんです。すぐに参りますので、お時間はとりません。」 先輩のその言葉を聞くや否や、その男性は驚愕、という表情をした。表情が動いたわけではないが、明らかに青ざめたのだ。 　その男性の変化には気付いていないように、先輩は持っていた拡声器を口に当てた。 「お客様にはご迷惑をおかけしております。只今当駅では人身事故が発生致しました。事件性があるため、警察からホーム内にいらっしゃいましたお客様はお帰りにならないようにと託っております。ご迷惑をお掛けしまして申し訳ございませんが、今しばらくお待ちくださいませ。」 拡声器を口元から外す。 「……ま、どの道あと十五分は電車来ないからな。どこにも行きようがないよ。」 「そうですね。」 林田と先輩は軽く交わす。 　それから間もなく、予告どおり警察は現れた。とりあえず事情を、当の男性、林田、女子中学生、その他の順番で聞いて回った。そして結論を出す。 広告 リサイクルハンター7 ブランド品・家具・家電の高価買取ならリサイクルハンター７へ！ クリックをお願いします]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>「……じょ、上等だ……ま、まあ、そこまで、」<br />
「林田ー！大丈夫かー！？」<br />
「あ、先輩！」<br />
会話の途中で林田を呼んだのは、隣のワンマンではない駅に配属されている駅員であった。恐らく緊急ボタンによる信号が発せられたにも関わらず、林田と連絡が取れなくなったので、そのまま来てしまったのだろう。<br />
　林田が簡単に事情を説明した。交番に連絡してきます、と言ったところで、再び男性が話しに割って入った。<br />
「あ、いや、だから、別にそこまでしなくても……。」<br />
「いえ、お客様、緊急を要したことでしたので、実は既に呼んであるんです。すぐに参りますので、お時間はとりません。」<br />
先輩のその言葉を聞くや否や、その男性は驚愕、という表情をした。表情が動いたわけではないが、明らかに青ざめたのだ。<br />
　その男性の変化には気付いていないように、先輩は持っていた拡声器を口に当てた。<br />
「お客様にはご迷惑をおかけしております。只今当駅では人身事故が発生致しました。事件性があるため、警察からホーム内にいらっしゃいましたお客様はお帰りにならないようにと託っております。ご迷惑をお掛けしまして申し訳ございませんが、今しばらくお待ちくださいませ。」<br />
拡声器を口元から外す。<br />
「……ま、どの道あと十五分は電車来ないからな。どこにも行きようがないよ。」<br />
「そうですね。」<br />
林田と先輩は軽く交わす。<br />
　それから間もなく、予告どおり警察は現れた。とりあえず事情を、当の男性、林田、女子中学生、その他の順番で聞いて回った。そして結論を出す。
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